ギターの弦の取り替えは
“チューニングが定まらないのでイヤ”
“取り替え方が難しくて時間がかかる”
そんなお悩みを解決する方法をお伝えします。
弦の取り替え方法は千差万別。
今回はプロギタリストがやっている
演奏現場でも役立つ
簡単で便利な方法です。
目次
演奏現場でも役にたつ
弦の取り替えはできるだけ
短時間でできることが大切。
コンサートでの現場でのアクシデントに
“弦が切れる”
滅多にないことですが
起きないとはかぎりません。
私は舞台で1度経験しました。
そんな時はすぐに取り替えなくてはいけません。
また、プロギタリストの中には
常に新しい弦で演奏するために
リサイタルの前半が終わったら
わずかな休憩時間に張り替える人もいます。
アマチュアの方でも
弦の取り替えはスピーディーにしたいですよね。
また、これからお伝えする取り替え方法なら
ほぼ一晩で調弦が落ち着きます。
一週間も音程が安定しないなんてことはありません。
では早速始めましょう
説明文章がわかりやすいように
糸巻き側を左に(ナット側)
ボディ側を右に(ブリッジ側)
ギターを向けておいてください。
YouTubeでも動画を公開していますが
細かい部部は見えにくいので
合わせてお読みくださると
さらにわかりやすいです。
弦をはずしましょう
初心者は弦を取り替えた後に
調弦をするのが難しく
弦を巻きすぎて
切ってしまうことがあります。
初心者の方には
弦は1本ずつ外して取り替える方法を
おすすめします。
今回は弦を全部外しています。
日頃、普通に使っていても
ホコリや手あかがついて汚れているものです。
弦を全部外したほうが
お掃除しやすいですし
弦も張りやすいです。
弦を取り替えるタイミング
その日の練習が終わってから
張り替えることをおすすめします。
一度、弦を全部外すと
表面板のテンションが緩んで
いつもとは音色が変わってしまいます。
弦を全部張って、
もとの音色に戻るのには
30分くらいかかりますので
練習の最後に取り替えたほうが良いでしょう。
ナットとブリッジ
弦をのせている2本の白い板があります。
糸巻き側(左側)にはめているのをナット
胴体の方(右側)にはめているのをブリッジサドル
といいます。
この2本の板は
弦を外すとはずれます。
なくしてしまわないよう気をつけましょう。
また、外れた時に
取り付けるには
方向が決まっています。
一般的なナットとブリッジサドルは
内向き同士で
垂直にカットされています。
上部は斜めになっていて
低いほうが外側です。
弦を張る順番
どの弦から張っても構いませんが
ナイロン弦は①②③弦
金属弦は⑥⑤④弦の順に
取り付けることをお勧めします
そのほうが糸巻きに巻きつける時に
作業がしやすいです
ナイロン弦の張り方
まず、ブリッジ側から弦を通します。
色々な通し方がありますが
ポイントは一つだけ。
ブリッジの板の角から下で
弦の最後が他方の弦の下になって止まること。
これが角から手前(正面から見えている状態)で
重なっていると
少しずつ弦がすべって抜けてしまい
調弦が安定しない原因になります。
よくない取り付け
きちんと角から下で止まっている
①弦は細く滑りやすいので
抜けてしまうことがあるため
穴に二重に通したり
弦に巻きつけたりしたほうが良いでしょう。
金属弦の張り方
金属弦は硬いので
巻きつけた後が丸く緩んで止まってしまいます。
全部を張り終わった後に
弦を引っ張って緩みをなくしておいてください。
緩みをとりましょう
金属弦は取り付ける弦の方向があります。
一般的な弦は
弦の端が切り口になっていて
他方の端は
細い金属の糸の巻きつけがゆるくなっています。
巻きつけがゆるい方は
ナットとブリッジサドルの間にこないように
糸巻き側に使います。
ブリッジ側には切り口のある方を使います。
ただし、サバレス社の弦は例外です。
ブリッジに取り付ける時
やわらかく巻きつけられるよう
わざと巻きつけをゆるくして
柔らかい部分を2箇所
作ってくれています。
(通し方によっては逆に使いにくいので
その場合は逆に使うことをおすすめします)
弦の張り替えの最大ポイント
次に糸巻き側です。
穴に通したら
緩みがないようにしっかり
右側に引っ張っておきます。
下記写真のような緩みがあってはいけません。
緩みを取ろうと
ヘッド側(左側)に引っ張りたくなりますが
反対です。
ブリッジ側(右側)に引っ張ってください。
ナイロン弦は1〜2回よじります。
よじりが戻らないよう指でおさえて
巻きつけていきます。
金属弦は1回よじれば充分です
よじった部分が重なったら手を離しても大丈夫。
たったこれだけです。
穴に通した後
弦を結んだほうが
しっかり取り付けられそうですが
弦を外す時に手間がかかります。
次に弦を取り替える時
すぐに取り外しができるよう
結ばずによじるだけにしましょう。
また、楽器屋さんでギターを買った時
糸巻きに弦がきれいに
何重にも巻きつけられていることがありますが
あれは見た目が良いことを重視しているだけです。
糸巻きにたくさん弦を巻きつけてしまうと
その部分の弦がのびて
調弦が安定しない原因の一つです。
糸巻きに巻きつける分量を減らすため
最初に穴に通した時に
ピンと張った状態から巻きつけていくのが
最大ポイントです。
弦は真っ直ぐに
①弦と⑥弦は弦を穴より外側へまきつけていきます
②③④⑤は内側に巻きつけていきます。
そうすることによって
ナットの糸道と糸巻きの中の
弦の方向をなるべく真っ直ぐにしておきます。
(かなりマニアックなこだわりです)
斜めになっていると
調弦する時にナットの糸道の溝にひっかかり
正確に調弦できないことがあります。
チェックポイント
これで完成です。
ブリッジ側は角から下で
弦が重なっていること。
糸巻きの中には
できるだけ少なく巻きつける。
糸巻きの中の弦の方向を真っ直ぐに。
おまけのこだわり
糸巻き側のあまった弦ですが
弦同士がふれて雑音が出ることがあるため
切っておくのですが
私は切らずに残しておきます。
なぜなら弦はブリッジサドルの上で
切れることがよくあります。
その時は外してずらすだけで
またその弦を使えます。
切ってしまうと
短くて長さが足りなくて
再利用できません。
だらしない、と他の人から言われていますが
無視しています(笑)
そして取り替えた古い弦は捨てずにとっておきましょう。
もし、1本弦が切れた時
応急手当てとして使うことがあります。
コンサート、発表会などで
演奏直前に弦が切れた場合
新しい弦を張ると
一本だけすごく調弦がくるってしまい
調整が難しいからです。
まとめ
いかがでしたか?
かなりマニアックなこだわりポイントがありましたが
慣れれば簡単なことばかりです。
この方法でしたら
一晩で調弦も安定しますし
次回に弦の取り替えをする時に時短になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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