2021年のイベント記録

クラシックギター・サポーターズクラブ コンサートシリーズ
「クラシックギターの新しい音楽様式」

井桁典子が主宰している「クラシックギター・サポーターズクラブ」ではサポーターの皆様からのご支援金で、2020年7月から2021年2月まで、毎月一回、ギターイベントを開催いたしました。コロナ禍でしたが全公演、好評のうちに終了いたしました。サポーターの皆様、ご来場、ご視聴いただいた観客の皆様、演奏者の皆様、ありがとうございました。

<開催したコンサート>
2020年7月5日(日)井上仁一郎「ギターアレンジメントの世界」@フィリアホールリハーサル室
2020年8月1日(日)谷川英勢「クラシックギターの新たなスタンダードを求めて」@フィリアホールリハーサル室
2020年9月20日(日)益田正洋「バロックから現代まで クラシックギターのスタンダード・レパートリーを求めて」@フィリアホールリハーサル室
2020年10月18日(日)渡邊茜「ノスタルジア」@みどりアートパーク
2020年11月14日(土)斎藤優貴「クラシックギター×ジャズ」youtube配信
2020年12月19日(土)伊藤亘希「バッハとブローウェル」youtube配信
2021年1月10日(日)小暮浩史「ギターで巡るフランスの音楽」@フィリアホールリハーサル室
2021年2月13日(土)クアトロ・パロス「運命」@みどりアートパーク

Zoomで新春お弾き初め会 2021年1月23日(土)

生徒様10組のお弾き初めと講師、山田雄太、槐智明、井桁典子のお弾き初めで今年のギター三昧をお祈りしました!60名あまりの方にご視聴いただけました。最後に洗足音楽大学大学院の大貫淳也さんがゲストとして参加してくれました。ソナタ・ロマンティカ(ポンセ)のロマンチックな演奏にうっとりでした!

無料体験会 2021年4月1日(木)7日(水)フィリアホールリハーサル室

コロナ禍になって音楽の趣味を始める人が多くなりました。楽器もすごく売れているようです。内装工事屋さんが防音工事の受注が多くなったとおっしゃっていました。

リモートワークやお仕事が時短になり、おうちにいる時間が増えて趣味を始めるゆとりが生まれてきました。コロナ禍は大変な命にかかわる危機的出来事ですが、生活を見直すきっかけにもなりました。
仕事ばかりでなく家族との時間、一人で、おうちでじっくり向き合う時間、そんな時代がやってきました。
女性だったら真っ先に思いつくのが手芸や絵画関係ですね。
亡くなった私の母も油絵を趣味としていましたが途中でやめてしまったのです。理由は飾っておくところがないし、始めたころの作品は下手で飾れない。かと言って捨てるのは悔しいし、かさばるし。。。そしてやめてしまいました。次に刺繍を習いにいきました。今度はかさばらない趣味を選んだのですが、その協会の指導通りの色使いと図案にしなくてはいけなくて、自由に作れない。作りたくないお財布や小物入れを高い材料費を払いブツブツ言いながら通っていましたっけ。。。

今、若い女性には身体を動かす趣味も流行ですね。スポーツクラブや筋トレ系、ヨガ、ピラティス。とても良いです。でもそこにいかないとできないことや、身体だけではなく静かにできることもあったらいいな。

そこで次に浮かびあがったのが「音楽」の趣味です。でも第一に問題になるのがコロナ時代の「飛沫問題」です。歌や管楽器は今は始めにくいですね。そして大きな音が出る楽器は防音工事が必要だったり、スタジオにいかないとダメだったり。。。

そこで!!最適なのがクラシックギターです。
クラシックギターは弾き語りや二重奏、合奏など誰かと一緒に演奏を楽しむこともできますが、他の楽器と違うところは「独奏」というジャンルがあります。一人でメロディーと伴奏を一緒にひいて音楽を完結できる。そんな独奏というジャンルが盛んなのはピアノとクラシックギターが代表格です。でもピアノは音が大きいので練習時間や置き場所を考えないといけないですね。

その点、クラシックギターは指先で直接、弦にふれてそっと弾く楽器なので大きな音はあまりだしません。そしてどこにでも運べます。私はマンション暮らしですが窓をしめて換気扇のない部屋で弾けば、夜遅く練習していてもお隣には聞こえていないようです。

クラシックギターを始めると、ハマって何十年も続けている人が多いのです。井桁ギター教室には30年以上続けている生徒さんがゴロゴロいます(笑)

なぜハマってしまうのかと考えてみましたが、クラシックギターの面白さは同じ楽器を使っても一人一人違う音が出るということでしょうか。

指先で弦にふれて音を出すのですが、その触り方で微妙に音色がかわります。その差に気がつくと「もっと自分の好きな音色にしたい」思いがつのります。強弱や柔らかい音、硬い音、いろいろな音で表現できるようになります。

それからクラシックギターで弾く音楽のジャンルや時代が広いことです。15世紀くらいの作品から現代作品まで。クラシックはもちろんですが演歌、ボサノバ、ジャズ、J ポップ。弾かれないジャンルはないくらいです。その中で自分の好きな作品や作曲者を見つけていく、人生のパートナー選びのようなものですね。

「私ってこんな音楽が好きだったんだ」「自分の指でこんな音色が出せるんだ」そんな発見をする楽器がクラシックギターです。

いかがですか?興味を持っていただいたらまずは触ってみてください。難しそう、なんて気構えないで、どんな音がでるかな?を楽しんでみてください。

今年はコロナ禍対策で、そんな機会をたくさんご用意しますね!

人生100歳時代のピラティス4回コース 2021年4月〜 ギターサロン和韻

講師にピラティスボディトレーナー/セラピストの西章江先生をお迎えして、教室でピラティスの講座を開催しました。

数あるワークの中でなぜピラティスを教室で開催するか?

コロナ禍になり身体を動かすことが少なくなりました。そして外に出かける時間が少なくなり、おうちでギターを弾く機会が増えました。ラッキーです。でも、運動不足では良い演奏はできません。だって健康でなければ練習がたくさんできませんから。

クラシックギターは指で繊細に弾いて、頭を使って記憶力をすごく使う楽器です。だから身体が良い状態でないと繊細な指の動きができません。身体が活性化していないと記憶力や思考力も落ちてしまいます。

でも、音楽の趣味を選ぶ人はなぜか運動嫌いな人が多いのです。運動しなくてはいけないとは思っていてもなかなか足がスポーツクラブに向いていきません。

そこで運動嫌いな人でもできる静か〜な運動、そして何より重要なのは背骨の柔軟性を養えるピラティスを選びました。

背骨周りが柔軟になると腕を動かす筋肉が柔軟になります。もちろん肩こりや五十肩もよくなります。そして腕が自由に動くようになるとギターのテクニックも上達します!!それだけでなく深い呼吸ができるようになり、頭や身体の働きがよくなるのです。

でも、実は私、井桁が一番運動音痴なので、私にでもできるピラティス教室が欲しかったから。。。身体を緩めることがメインの「ゆるピラ」ご一緒に、元気になってギター上達しましょう。

身体の使い方のメルマガも書いています。是非読んでね!
https://omoidorinoensou.com/fx/uss7ZO

ギター感謝デー 2021年4月17日(土)フィリアホールリハーサル室

毎年「ギター感謝デー」コンサートとギター体験会を開催しています。

毎日、クラシックギターを教えたり、弾いたりしています。でも、ふと考えると、それは当たり前のようで当たり前ではないことに気がつきます。趣味を楽しめることだけでもラッキーなのに、聴いてくださるお客様が来てくださる。なんてありがたいことでしょう。

日々の練習ではうまくいかないことがあって、ギターの練習をサボってしまったり、弾くのをやめてしまおうかと思うこともあります。他の人と比べて才能がないのでは、と悩んでしまう時もあります。

でもなんだか、またギターを手にしています。好きなんですね。。。

クラシックギターの良いところは、弾き語りや他の楽器との合奏が楽しめるだけでなく独奏というジャンルがあること。

自分一人で曲に向かい作曲者の気持ちを考え、思いを巡らせ演奏する。それがクラシック音楽の醍醐味です。演奏する曲はすでに優秀な作曲者が作ってくれた名曲ですから、楽譜の書いてある通りに弾けば誰にでも名曲を演奏できます!(笑)

でもその中にも自分らしい表現が生かされていて、同じ曲を弾いても演奏する人それぞれによって変わってくるところが面白いです。

特にクラシックギターは指先で直接、弦にふれて演奏するので、一人一人違う音色になります。オンリーワンの演奏ができる楽器です。

だから長く続けている人が多いですね。クラブ活動でオーケストラ部やブラスバンドで楽器を始めても卒業すると仲間がなくなり演奏の機会がなくなってしまいがち。でもギターは合奏したり独奏したり色々な楽しみ方があります。

そんな特別な趣味、仕事を手にできた事、作曲者に、そして聴いてくださる方に感謝です。

毎年、感謝の気持ちを込めてコンサートを開催しています。(もちろん他のコンサートでも感謝の気持ち込めてますよ!)井桁教室の生徒さんたちと講師によるコンサートです。

このコンサートはいつも大人気ですぐに満席になります。時々、プロのコンサートより人気があるのでは?と思うことがあります。皆さん、アマチュアの演奏も楽しみたいのですね。始めたばかりの生徒さんもいますから、もちろんプロのように完成された演奏ではないかもしれませんが、想いのこもった演奏には感動させられます。演奏って技術の上手下手だけでないところが面白いです。

終了後には初心者ギター体験会も開催し、たくさんの方にギターを体験していただけました。

ご来場、ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。

井桁典子ギター教室 発表会 2021年5月3日(月祝)みどりアートパークホール

ゴールデンウィーク5月3日はギター発表会でした。コロナ感染が広がっている状況で緊急事態宣言が発令され会館が閉館にならないかヒヤヒヤでした。

控室も密にならないようなるべく一人一部屋で。裏方も密にならないよう最低限の人数で。(担当者はすっごく大変でしたが)

終了して2週間経ってコロナクラスターは出ていないようなので、一応、無事に終了した、と思います。この2週間はドキドキでした。

生徒さんの演奏を聴くときにはドキドキしませんが。生徒さんからは「先生が教えてくれた通りに弾けなくて申し訳ない」「心配で聴いていられなかったでしょう?」などと言われることがありますが、全く、そんなことありません。

発表会当日は日々の教授活動の中で一番嬉しい日です。

長い間、練習を共にして過ごした日々、一生懸命練習してくださった姿、そんなことを思い浮かべると、感謝、感謝。。。どの演奏もかけがいのない瞬間です。

クラシックギター、作品、演奏に対して真摯に向き合ってくださることに心から敬服します。

アマチュアだから、プロだからそんな線引きは関係なく、真摯に向き合う演奏は素晴らしいです。

ミスすることはあります。(私の場合は必ずと言ってミスりますが)

舞台の上で「もう穴があったら入りたい」「このまま舞台から逃げ出したい」そんな気持ちになっても逃げ出す人はなく、勇気を振り絞って曲に向かい、最後まで弾き通す。そのことがどれだけ素晴らしいことか。

そしてもちろん舞台の上だから、レッスンのときより素晴らしいことがよく起こります。

ご本人は「失敗した、、、もう一度やり直したい」と言っていても、客観的に比べると生演奏の迫力は練習とは比べものになりません。つい、演奏に引き込まれて行きます。

当教室のギター発表会は例年100名余の参加者。10時間くらいの大イベントですが、途中で「疲れた」「飽きた」と感じるときはありません。あっという間に1日が終わります。

良い演奏には技術力は必要です。高い技術力があった方がもちろんいいです。でも、演奏の良し悪しは技術だけではありません。

自分でどのように演奏するか決めて、実行する、その意思力が最も大切だと思います。

先生からの「このように弾いたらいい」とアドバイスを受けていても、それを練習して自分の言葉に変えていく過程には意思の力が働いています。

でも、舞台の上では時々自分の力を疑ってしまい「うまく弾けないかも。。。」と意思力が弱くなってしまうときがあります。それを打ち消しながら最後まで弾くこと、それには相当な意思力があるのです。そこに感動するのです。

また、次の名演奏が楽しみです。私も頑張ります。一緒に頑張りましょう!

そんな演奏を目指して、生徒の皆さん、そして私自身も、音楽に向き合っていきたいと思います。

和らぎギターコンサート 2021年5月9日(日)フィリアホールリハーサル室

コロナ禍になってから、今まで以上にイベントを増やしています。本当は自粛しなくてはいけないはずですが、コロナ禍になって、コンサート活動や教室活動が制限されて初めて「音楽って生きるために必要」ということを実感いたしました。

自粛が緩んで、昨年の7月に初めてコンサートを開催したとき「不要不急、ではなくて今だからこそ必要だから来ました」とおっしゃったお客様がいました。

そして、演奏者たちが演奏の場を奪われてどれだけ元気を無くしたことか。。。
演奏者にとって“コンサートをするな”ということは“ずっと黙っていろ”と言われているのと同じ。

今はいろいろな制限はありますが、少しずつコンサートを開催できています。
でも、いつまた厳しい制限になり、イベント中止になるかわからないので、リアルイベントだけでなくオンラインイベントも。とにかく、イベントを増やしましたよ。。。

おかげで5月は、1日はオンラインで楽譜講座、3日に「ギター発表会」(9時間もかかった!)、9日はこの「和らぎコンサート」、29日に「林祥太郎コンサート」、29日youtube生配信ライブ、という教室始まって以来の大興行です。

さて、お話は戻りますが、この「和らぎギターコンサート」というタイトル、クラシックギターの音色を聴いて、少しでも皆様が和らいだ気持ちになってくれれば、という思いです。(ベタだなぁ)

8名のギタリストのコンサートですが、メンバーはベテラン(古いだけ?)から、まだ現役音大生までキャラクターの違うギタリストが揃いました。

それぞれがこのコンサートにふさわしい曲を選んだ結果、かなりバラエティに富んだプログラムとなりました。

スペイン古典期の代表的作曲家・ギタリストのF.ソルとクラシックギターが一番花咲いた19世期のF.タレガやF.アルカス。タレガはアルハンブラの思い出が有名ですね。THE・ギター!という感じです。

そして20世紀作品では、アメリカの作曲家F.ハンドやブラジルの作曲家S.アサド、日本の佐藤弘和。圧巻はドメニコーニのコユンババ。これはまるでトルコの民族音楽のようです。そのほかにも濱口仁邦はオリジナル作品を披露したり、OBRIGADAさんのバサノバ弾き語りやジャズの曲などetc.

こんなにノンジャンルな楽器ってあるでしょうか?!

私たちは“クラシックギタリスト”と紹介されますが、クラシックギターとは楽器の名称だけで、15世期から現代作品まで、クラシック曲はもちろん、タンゴもボサノバもジャズも演歌も弾いちゃいます。
こんなノンジャンルなクラシック奏者は、多分クラシックギタリストだけです。

これだけの広範囲の曲を扱うのには、もちろん、下調べや練習は大変ですが、必ず好きなジャンル、作曲者が見つかります。

多分、一生飽きることはないでしょう。オススメです!

<出演者とプログラム>
山田雄太 第二グランドソナタより第三楽章(F.ソル)、いそしぎ(J.マンデル)
濱口仁邦 South Coastの第1,3,4曲(濱口仁邦)
井桁典子 ラグリマ、アルハンブラ宮殿の思い出(F.タレガ)
OBRIGADA カーニバルの朝(L.ボンファ)、ブラジルパンデイロ(A.バレンチ)
大貫淳也 SHIHO~しほ(志保)、HIBIKI~ひびき(響絆)(佐藤弘和)
小林愛美 思い出(S.アサド)、祈り(F.ハンド)
岡本和也 椿姫の主題による幻想曲(F.アルカス)
槐 智明 コユンババ(C.ドメニコーニ)

youtube live 2021年5月29日(土)

5月29日(土)はギター三昧の1日でした。11時からyoutube生配信ライブを開催して、午後1時からは林祥太郎ギターコンサートを開催しました。

youtubeライブは昨年も自粛期間中にグループレッスンの生徒さんに向けて開催しましたが、コンサート形式で一般の方に向けての配信は初めて。

もちろん、主任講師の槐先生がyoutube配信の準備をしてくれたおかげでの実現でしたが。。。

昨年よりずっとレベルアップしました。前回はPCの内蔵カメラとマイクで、一人で喋ってレッスン解説しただけでした。

でも今回はzoomという会議アプリを使って3箇所を繋ぎ、youtube生配信というちょっと凝った作り。

そしてゲスト演奏にクラシックギター 二重奏ユニットのLed grooooverさんにも参加してもらいました。

コロナ禍になってもう1年半がたちましたね。その間、大変なことがたくさん。音楽の世界では、コンサートが中止される。レッスンが対面でできなくなってしまい休講した教室も。体調が悪くなってレッスンを中断した方も。。。

当教室のイベントも、恒例行事のクリスマス会や生徒さんのライブや飲み会などは開催できませんでしたレッスンは休講にはなりませんでしたが、1ヶ月以上オンラインに切り替えました。

コロナ禍で予想していなかったことは、外出が少なくなり運動不足のせいか、腰痛や体調不良のためにレッスンを断念する生徒さんが数名いたことです。予想していた、コロナ感染を懸念してのお休みや、失業や金銭的な問題で辞めた方は2名だけでしたのに。皆さんも色々なご不便、ご心配があったことと思います。

コロナ禍を好転させることは、私一人の力ではどうすることもできません。それでも時間は過ぎていきます。それだったらこの期間でしかできない体験をしていこうと決心したのが1年前でした。

今まで苦手で人任せにしていたオンラインについて少しずつ研究し、この方法を新しい方法としてギターレッスンに役立てられないか?今までもやろうと思えばできたことですが、やらなかった理由は「生音とくらべ音が悪い、音質を判断できない」ということが一番でした。

でも、ヨーロッパが自粛の期間になり、多くの音楽家がyoutubeで動画をアップするようになり、友人でもあるスペインの代表的ギタリストのマリア・エステル・グスマンさんも毎日2ヶ月間、アップし続けていました。

彼女は毎年、来日して美しい音を聴かせてくれていますが、そのコンサートも全部中止になり、その代わりに毎日youtubeで聴くことになりました。めんどくさがりなので、スピーカーに繋いで聴いたりせず、ノートパソコンのスピーカーから直接聴いたので良い音とは言えません。本物の生音からは、比べ物にならないほど音質は悪いのですが、でも演奏は素晴らしく、聴き入ってしまいます。

今まで自分のなかでは、ギター演奏に一番大切な要素は「自分らしい音」だと思っていたのですが、それは音楽の一部であって、一番大切な事ではなかったことに気づかされました。

この気づきから、オンラインだったらオンラインでしか指導できないことをレッスンすれば良いい、と自信をもって選択することができました。生徒さんたちも、始めは「わからない、難しい、オンラインするくらいならお休みする」と言っていた方も、「やはりこんな時こそギターのレッスンを続けたいから」と頑張ってくれました。結果、9割の生徒さんをオンラインでレッスンすることができました。

今回のライブは、そんな協力してくれた生徒さんへのお礼の気持ちでもあります。少しでも、おうちでギターを楽しめるような活動をしていきたいと思いました。

生音でなくても音楽を伝えることができる。それがお粗末な音響設備であっても。むしろ良い音楽であるか真価が問われると思います。

主任講師の槐(さいかち)智明さんの演奏は「ギターの音が好きなんだな〜」という気持ちが伝わってきます。ゲストのLed grooooverさんの演奏も、パソコンの画面からでも音楽に対する気持ちと迫力が伝わってきます。音量調整がうまくいっていなくて音が大き過ぎて音ワレしてしまう場面もありましたが、それも迫力の一つとして楽しめました。

私がオンラインを始めた頃は失敗ばかり。失敗すると落ち込んで「こんな私には無理なことだった」としばらく立ち直れない時もありました。でも、教室の若いスタッフに助けられ、少しずつ理解していくと、次第に元気が出て、体も元気になっていきます。不思議ですね。心と体は一体であることを実感しました。

何事もやってみないとわかりません、コロナのおかげで新しい世界に導いてもらい、新しい音楽の概念も教えてもらいました。

こんな状況はまだまだ続きそうですが、この状況を受け止め、新しい世界に少しずつ向かっていけたらいいなと思います。皆さんも新しい音楽の方法、ギター演奏に取り組んでみませんか?今度は生徒さんの演奏もyoutube生配信できたらいいなぁ。

 

林祥太郎クラシックギターコンサート 2021年5月29日(土)フィリアホールリハーサル室

5月29日に林祥太郎さんのコンサートを主催しました。日本のクラシックギター界の若手ギタリストとして注目され、テレビ等にも紹介された人気ギタリストです。コンサートを開き、SNSで発信するだけで即完売。
当方では、SNS情報に疎いファンの方々にも聴いてもらうために、機会均等にするために、抽選方式を採用させていただきました。こんな時代に会場に赴き、聴いてみたいという思いを抽選で切り落とすのは、とても心が痛みましたが、コロナ禍で人数制限などのなか苦渋の選択でした。

プログラムはクラシックギターのオリジナル作品から、タンゴやアルゼンチンの歌曲など、幅広いレパートリーを聴かせてくれました。

前回、オンラインで音がよくなくてもいい音楽であることに変わりない、と書きましたが、やはり生の音で素晴らしい音楽を聴けることはもっと幸せです。

今回このコンサートを開催して、コロナ感染も拡大している中でお一人もキャンセルが出なかったこと、そして「開催してくれありがとう」とメールをいただいたこと、開催してよかったと思える瞬間でした。音楽は「生きる」のには必要ではありませんが、「生きていく」ためには不可欠だと思っています。

当日、お越しになれなかった方へ、せめてその様子をお伝えしたいと思い、書き記しました。

プログラムは
作品35-17(夢)  /F. ソル
エル・ロコ  /E. S. デ.ラ.マーサ
アルハンブラの想い出  /F. タレガ
レイェンダ  /I. アルベニス
前半は18世紀後半から19世紀のクラシックギターの黄金時代の名曲ばかりです。

まずスタートにソルの小品。

F.ソルはスペイン人でありながら後世はフランスで活躍した作曲家でギタリスト。クラシックギターの独奏曲を多く書き、19世紀ヨーロッパにクラシックギターの価値を知らしめたギタリストと言えます。美しいメロディーとハーモニーが特徴で、まず第一曲目にこの曲を選ぶ林さんのクラシックギターへの想いを感じさせました。

続いて19世紀スペインの作品を3曲。

エル・ロコ(気狂い)は、スペインの詩人、ヒメネスがロバのプラテーロについて書いた詩「プラテーロと私」に沿って作曲された曲集の中から一曲。近年弾かれることが少ないのですが、バルセロナで勉強してきた林祥太郎さんならではの選曲ですね。

そして超有名曲、トレモロで有名なアルハンブラ宮殿の思い出。林祥太郎さんはトレモロの美しさでも定評があり、生で聴くとさらに立体的で空気に漂う音の粒にうっとりします。

レェインダ(伝説)は「アストゥリアス」というタイトルでも知られていますね。原曲はピアノなのですが、明らかにギターをイメージして書かれた作品です。

2019年に公開された「マチネの終わりに」の中でも使われていましたし、ダイワハウスのCMにも使われていましたねー。ドキドキするような緊張感のある名曲です。

後半は同じスペイン語圏、アルゼンチンの作品を聴かせてくれました。

フェアウェル、思い出  /S. アサド
チキリン・デ・バチン  /A. ピアソラ
澄み切った空  /Q. シネシ
想いの届く日  /C. ガルデル

フェアウェル(さようなら)と思い出。どちらも物悲しいメロディーに心を打たれます。

湯本香樹実さんの児童小説を映画化したときに、相米慎二監督がアルゼンチンのギタリスト・アサド兄弟に、作曲・演奏依頼をしました。映画は全編を通じてギター曲のみというクラシックギターファンにとって嬉しい作品でした。

そして、近代タンゴの神様、ピアソラからも一曲。「チキリン・デ・バチン」というなんか痛そうな(笑)題名ですが、バチンというレストランにあらわれる花売りの貧しい少年を歌った曲をギター独奏にアレンジしたもの。哀愁を帯びたメロディーが涙を誘います。

続いて澄み切った空もアルゼンチンを代表するギタリスト、キケ・シネシの作品。南米特有のリズムが鋭く表現された名演です。

最後はやはりアルゼンチンの古い映画「想いの届く日」の中で歌われるロマンチックな恋の歌をギター独奏にアレンジした作品。

全プログラムを通じてクラシックギターの美しい音色とハーモニーを最大に引き出せる曲選びと、林祥太郎さんの持つ繊細で清楚な音楽を最大限に表現されたプログラムだったことが印象的でした。

また、このような機会を持てることを願って!

バラトレ・舞台上でのパフォーマンス向上ワークショップ

今年の発表会は5月に無事に終了。どの演奏もみんな立派でした。でも、ご本人は90%の人が“家ではもっと上手く弾けたのに”と思っていることでしょう。そして“もう一回弾いたら上手くいくのに”と思うのですが、残念ながら本番はやり直しができません。

家では充分練習したつもりでも舞台の上では色々なことが起きます。“こんなにホールって広かったの!恐い”“間違えてしまったらどうしよう”“〇〇さんが聴いているから上手に弾かなくては”色々な邪念が現れます。

でも、成功の秘訣は、気持ちを演奏する曲の音楽に向けること、心は緊張していて身体は自由に動くこと、の2点だけです。

でもこれがなかなか難しい。家ではわかっていてもいざ舞台の上になると忘れてしまうのです。。。

そのために定期的に「ミニ茶話会」という練習会を開催して舞台に立った時でも、パニックにならず思い通りの演奏ができるための練習会をしています。

今回はさらにその後に「バラトレ・舞台上でのパフォーマンス向上ワークショップ」も開催しました。

なんといっても経験数が大切です。家でやっている練習が舞台の上でも成果を発揮できるかどうかは実際に舞台に立ってみないと結果がわかりません。

今回はいつも発表会を開催している300名のホールで開催することができ、本当の発表会と同じ条件で演奏する練習をしてもらえました。

もちろん、一般のお客様はいないので参加者の10名ほどの聴衆です。それでも舞台には独特の雰囲気があり舞台に上がるだけで緊張感が。。。

演奏の前に点検する事項をきちんとこなし、身体の状態に気持ちを向け弾くこと、この2点に注意して弾くと、いつもより落ち着いたスタートを切れます。

2回目の演奏は、さらに会場の音を聴けるようになったり、客席に目を向けられるようになったり、演奏している時間を冷静に受け止められるように。

おうちでの練習だけでなく、実際の舞台での経験も大切。言ってみれば本番は本番のための練習ですね。

舞台上で「失敗したな」と思ったことがあっても、その経験を家での練習に生かし、次回の本番に備える。この繰り返しが、少しずつ思ったような演奏に近づけるコツですね。

ギターを習っていても「人に聴かせるためではなく、自分で楽しむためだから」と発表会に参加しない方もいらっしゃいます。
「一人でおうちでギターを静かに楽しむ」それもとても素敵な趣味ですが、たまには大きな会場で誰かに聴いてもらって一緒にその曲を味わう。そんな経験も一度してみてください。人生でそんな経験は滅多にないですよ。

ギターを始めてみようかな、と思ったら是非、無料体験を!
舞台度胸をつけてみたい方は、イベントをチェックしてくださいね。

「バラトレ・舞台上でのパフォーマンス向上ワークショップ」では、さらに身体のことに注意を払う練習をしました。特に舞台に上がる前までの身体への注意の向け方と待ち時間の過ごし方の練習です。

本当は演奏内容の練習は家で終了しています。会場に行って、一生懸命練習してもそれほど効果はありません。それより、舞台に上がってパニック、つまりあがらないようにするには、舞台に上がる前までが重要です。

単にリラックスしよう、深呼吸しよう、という方法ではうまくいかなかった人に、さらに具体的に待ち時間の過ごし方の練習をしてもらいました。

そうすると「今までで一番思ったように弾けた!」という嬉しい感想が聞けました。

やはり練習内容が重要です。皆さんも家でギターの練習だけでなく、身体の状態に注意を払いながら練習してみてください。きっと効果がでますよ!

詳しくは https://omoidorino.com

zoom講座 斎藤優貴さんを迎えて 2021年9月5日(日)

9月5日(日)は久しぶりにzoom講座を開催しました。今回はゲストに日本で一番、コンクールの入賞数を誇るギタリストの斎藤優貴さんをお招きしました。

冒頭に斎藤さんの演奏を2曲お楽しみいただき、井桁からは、本番前の呼吸法を練習していただきました。
皆さん、一緒にワークしてくださりありがとうございます。

さて、斎藤さんは現在はドイツのフランツ・リスト・ワイマール音楽大学に留学中です。8月の夏休みで帰国中に教室に来ていただきました。留学中と言ってもすでにプロのギタリストとして世界各地でコンサート活動をしています。

2017年から14のコンクール優勝を獲得していて、日本人として、これだけの国際コンクール優勝を短期間に勝ち取ったギタリストはいなかったでしょう。

もちろん、世界のギタリストのなかでも1、2を争う勢いです。ヨーロッパでは最も注目されている日本人ギタリストです。

そんな彼に、コンサート、コンクールなどに、どのような準備、心構えで挑んでいるのかおたずねしてみました。

本番の1ヶ月前には暗譜して弾けるようにしておく、それから、曲の細かいところをさらにブラッシュアップしているそうです。

本番直前には、衣装を着てのリハーサルや、当日の食べ物、飲み物についても研究している。

それだからこれだけの結果があるのですね。

練習に取り組む期間や練習の緻密な計画はとても参考になりました。

でも、それでも謎は、「毎週のように色々な国のコンクールを受けていた」時期もあるようですが
どうやってそれだけのレパートリーを用意して、移動時間や体力、気力をどのようにコントロールしたのか。。。やはり凡人にはわかりません。。。

でも、これからは生徒さんには、発表会の準備は1年くらいかけることをお勧めしようと思います。

最後の質問コーナーではかなり興味深い質問がたくさんあり、ご参加いただいた皆様もベストメンバーでした!

youtube live ゆるゆ〜るギタリストのトークタイム 2021年9月23日(木祝)

井桁典子、主任講師の槐 智明、そしてドイツワイマール留学中のギタリスト伊藤亘希さんをゲストにお迎えしてyoutube liveを配信いたしました。伊藤さんには生演奏、そしてワイマールの写真もたくさん見せていただき、留学生活のお話をたくさん聞くことができました。

ギターのHAPPYコンサート 2021年10月10日(日)フィリアホールリハーサル室

久しぶりに「ギターのHappyコンサート」を開催しました。ギター教室の生徒さん達の発表の場として毎年開催していましたが、コロナ禍で開催を中止していました。

このコンサートシリーズは日頃、練習を重ねた曲を聴衆の皆様と共に楽しむ会です。発表会とは違う、少しあらたまったコンサートですね。

今回は、小川賢児さん、中島聡さん、河原稔さん、の3名の生徒さんが演奏してくれました。久しぶりの舞台ということもあり、出演者の緊張は100%MAXですが、それでも精一杯、心を込めて演奏しました。コンサートプロのような完璧な演奏ではありませんが、曲に対する想いが伝わる名演でした。アマチュアの演奏の良さは、曲に真摯に向き合っている様子に心が洗われます。

大人になると、仕事以外に必死になって取り組むことって少なくなってしまいますね。それなのに、何年も何十年もギターに向かい合い、1曲を長い月日をかけて仕上げる。その姿に感動してしまいます。ギターが好き、この曲が好き、という想いが伝わってきます。

後半はゲスト演奏。今回の奏者は当教室の講師も務める岡本和也さんです。映画「マチネの終わりに」で有名になった「大聖堂」そして「オーバーザレインボー」や「イエスタディ」「七つの子」「赤とんぼ」という幅広いレパートリーを披露してくれました。やはり生演奏は素敵ですね。

今回もコロナ感染予防として、入場数を25%にしていましたので多くの方に聴いていただけず残念でした。早く安心してコンサートが楽しめる日が来ますように!

次のコンサートも楽しみにしています。

井桁 典子

井桁 典子

井桁典子ギター教室主宰

初心者を教えて40年以上の経験から、身体に負担なく楽に上達する方法を研究しています。
“ギターライフを楽しんでもらいたい”その思いから、皆様に情報発信をしています。
楽器演奏をするときの身体の使い方の専門指導「ミュージックボディーラボ」も主宰しています。

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