ギターを弾くと親指が痛いのは練習量ではなくクセのせい。左手親指2

「指には力を入れていないつもり」
「長時間練習もしていないのに」
ギターを少しでも練習すると左手の親指付け根が痛くなる。
「何が原因なの?」
思わぬことが原因なのです。
指の使い方に変なクセがないか観察してみましょう。

親指が痛くなる隠れた原因

ギターを弾いている時や、その後に親指が痛くなる。
このお悩みは多くの人から寄せられています。
その原因は様々ですが
「指にはそんなに力をいれていないつもり」
「手が痛くなるほど練習した覚えがない」
というご相談がたくさん寄せられています。
でも親指の関節や親指の付け根、手首が痛くなるのはどうして?
その原因は“親指の使い方のクセや思い込み”かもしれません。

ギターの弦を押そうとすると指先はネック(竿)へ進んでいきます。
そして親指でネックの裏を触りますね。
これで弦を押すときの親指の動きは完了です。
でもその後、親指の腹を押し付けたり、少し引きつけるように反らしていませんか?
そのクセによって各関節を動かす筋肉が複雑な動きになってしまいます。

これでは親指を先に進ませる動きと、手前に引きつける動きを同時にしていることになります。
その結果、親指の付け根全体の筋肉が縮み硬直してしまいます。

簡単な例えで言えば、物を取ろうと手をのばしたのに、後ろから誰かに腕を引っ張られている状態です。
それでも物を取ろうと手をのばすのには、引っ張られた力以上に力をいれることになります。
その結果、手は前にも後ろにも進みにくく固まった状態になります。
そんなことを自分の手の中で起こしているのです。

なぜ、そんなクセがついてしまったのでしょう?
この動きはギターの時だけでなく、ハサミを使うときやドアノブを握る時にもやっていることがあります。
日常の動作も合わせて観察してみてください。

変なクセがついてしまう原因

代表的な原因は

① 練習中に人差し指〜小指の力の入れ加減は注意していても、親指には注意を向けていない。
② 親指は、指の腹や第一関節のところで押さえると思い込んでいる。

ということが考えられます。
それ以外にもいろいろな原因がありますが、この2つが一番多い例でしょう。

上記以外の対処法については「ギターを弾くと指が痛い。クラシックギターの左手親指1」のブログでも書いていますので是非、参考にしてください。

親指のことを忘れていませんか?

上記の①の原因について対処法をご説明します。

① 人差し指〜小指の力の入れ加減は注意しても親指は注意を向けていない。

指は5本でワンセットです。
押している指だけに注意をはらうのではなく、常に5本の指全部に注意をはらいましょう。
押していない指や親指もコントロールできるようになると、どの指も思うように動かすことができます。
常に5本の指、全部に注意を向けておいてください。
押していない指に力を入れていないか
指先がどの方向に向いているか
などを注意すると上達が早くなります。

ギター、特にクラシックギターを弾くのには左指が複雑な動きをします。
その指順に気がとられて押している指ばかり見てしまうものです。
そうすると親指のことは意識しなくなります。
人差し指〜小指の各指が思うようにコントロールできない不安が“親指を押し付けるクセ”になっていませんか?

そして、レッスンやコンサートの現場ではギタリストがどのように親指を使っているかネックの裏は隠れて見ることができません。
そのことによってさらに、親指に注意をはらうことを忘れてしまいますね。

親指は自由に使っていい

もう一つの原因

② 親指は指の腹や第一関節のところで押さえると思い込んでいる。

についても考えてみましょう。

多くの場合、ギターを初めて持った時、親指の使い方について細かく指示されることはありません。
教室で習っている場合も同様だと思います。
初めての時は、親指に関しては
「ネックの裏にあてておく」
「横に向けて指の腹をあてる」
「中指の裏くらいに置いておく」
程度の指示だった思います。
これは、あくまでも練習をスタートしたばかりの人にネックを握りしめないようにするための注意です。
上達していって、いろいろな指順で押さえるようなると、そのワンパターンだけでは左指全体のバランスを保つことができません。
いろいろなポジションによって親指を自由に動かしていくのがベストです。
ところが一番初めに構えたポジションから抜け出せなくなっている例がほとんどです。
押さえる場所や指によって、親指の触る場所、指先の方向は変えていいのです。

腱鞘炎にも注意

指の痛みがあっても、少ししか練習していないから腱鞘炎(けんしょうえん)になるはずはない、と決めつけないでください。
腱鞘炎は長時間の練習をしたせいと思われていますがそうとも限りません。
このようなちょっとした変なクセのせいで指にストレスをあたえてしまいます。
指の使い方を観察して、改善しても痛みが取れない場合は、まずは医師や専門機関で診察を受けてください。
腱鞘炎については以下のブログでもご説明していますので合わせてお読みください。

ギターを弾くと初心者でも腱鞘炎になるの?

お勧めの練習方法

それでは、親指の力をぬいて自由に動かすための練習をしてみましょう。
まず人差し指で5フレットのお好きな弦を押してみましょう。
その状態で親指を自由にいろいろな方向に動かしてみてください。
続けて中指、薬指、小指と指を変えながら同様に親指を動かしましょう。

親指が動きにくい指の時には、しっかり腕が手をささえているか気をつけ、よいバランスに座り直しましょう。
この練習で、「親指も自由に動いていいんだよ」
と指に教えてあげてください。
親指の指先の方向を変えられるようになると、腕の動きも機敏に対応するようになり、今まで難しかった押さえも正確にできるようになっていきます。
是非試してみてください。

まとめ

指が痛くなるのは練習のしすぎだけとは限りません。
指の使い方のクセで指に負担をかけている
ことがあります。
少しでも痛みがあったときは注意深く動作を観察してみてください。
指は5本でワンセット。
押している指だけでなく親指も重要です。
親指は押さえのポジションにしたがって触る場所、指先の方向は変わります。
親指の使い方を変えると、今まで大変だと思っていたところも楽に押さえられるようになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

井桁典子ギター教室のオールインワンレッスンクラスではギターのテクニックだけではなくこういった指導も合わせておこなっています。
井桁典子ギター教室

また、ミュージックボディーラボでは、随時ギターを弾く時の身体の使い方やトラブルの防ぎ方のセミナーやワークショップを開催しています。
指が痛くない人にも上達のヒントになります。
是非、ご参加くださいね。
ミュージックボディーラボ

井桁 典子

井桁 典子

井桁典子ギター教室主宰

初心者を教えて40年以上の経験から、身体に負担なく楽に上達する方法を研究しています。
“ギターライフを楽しんでもらいたい”その思いから、皆様に情報発信をしています。
楽器演奏をするときの身体の使い方の専門指導「ミュージックボディーラボ」も主宰しています。

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